バークシャー2021年第四半期の保有報告書について

株を勉強したことがあるなら誰でも知っている有名投資家ウォーレンバフェット率いる投資会社バークシャーハサウェイが2021年第4四半期に買った株や売った株について解説していこうと思います。 バークシャーなどの機関投資家は四半期ごとに保有株式の状況を証券取引委員会に報告することが義務付けられているのですが、バークシャーが提出した資料によると今回取得した銘柄や主力銘柄に変化がありました。 バークシャーハサウェイが取得した株は必ずしもバフェットの投資判断によるものではありませんが、主力銘柄はかなり以前からほとんど変わっておらず、運用額も大きいことからバフェット本人の考えで投資している可能性が高いです。 そのため今回の2021年第4四半期保有報告書でこれから何に投票したらいいのか迷っている個人投資家にとって参考になるかもしれません。

まとめ

  • アクティビジョンブリザード株の新規取得。
  • ブラジルのデジタル銀行「Nubank(ヌーバンク)」の株式を10億ドル分取得
  • 米エネルギー大手・シェブロンの株式を追加取得した。
  • ブリストル・マイヤーズスクイブやアッヴィなどの医療関連株の持ち株のほとんどを減らした。
  • VISA(ビザ)の株式127万株、Mastercardの株式30万2000株を売却

  • バークシャーが何を買って何を売ったのか、そしてバフェットが今何に注目しているのか、ということについて詳しく解説していきます

    アクティビジョンブリザード株の新規取得

    まずバークシャーが今回新規で購入した銘柄の中で最も注目を集めたのがゲーム開発大手のゲーム大手アクティビジョン株で1470万株近く購入していたことが明らかになりました。ダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンド運営会社、サード・ポイントも第4・四半期に200万株を取得しています。

    アクティビジョンはFPSゲーム好きなら誰もが知っているコールオブデューティなどの人気作を持っていて2020年はコロナ禍による巣ごもり消費の拡大によって売上高成長率が前年同期比+25%営業利益は+162%と大きく成長しました。 2021年は経済活動の再開と巣ごもり消費の反応によって売上高成長率が前年同期比+9%営業利益は+19%と失速しました。 しかし新作『CoD:V』は2021年12月の売上1位、そして2021年全体でも売上1位という怪物タイトルとなっています。

     

    このチャートはアクティビジョンの週足チャートになります。
    アクティビジョンチャート
    株価が2021年11月に一時56ドルと高値の104ドルから46%も値下がりする場面があったことがわかりますが、バークシャーはまさにこのタイミングでアクティビジョン株を買ったんです。 これは株価が急落している原因がコロナ禍による一時的なものであり長期的に見れば割安だと判断できるからだと思います。 またアクティビジョンの株価は今年に入って給湯していますからバークシャーの平均購入価格がおよそ67ドルであることを考えるとすでに20%以上の含み益がある計算になります

    マイクロソフトは1月18日、アクティビジョンを現金687億ドルで買収すると発表しました。 発表を受けてアクティビジョンの株価は発表当日に26%上昇し、21年末からは23%超上昇しています。 Microsoftは仮想空間メタバースの時代に備えてゲーム事業を強化しているのですが、現在はPS4などの家庭用ゲーム機でも販売されている作品をXboxをのみでしかプレイできないようにする狙いがあるかもしれません。 しかしMicrosoftによると、Activision Blizzardのゲームはさまざまなプラットフォームで楽しまれているため、これらのコミュニティをこれからも引き続きサポートしていく予定と回答しています。 つまり今後もPS4、PS5でもコールオブデューティーなどのゲームが発売されるという事なのでしょうか。

    今回なぜ注目を集めたのか、それはバフェットとビルゲイツに交流関係があり、購入したタイミングもバークシャーがアクティビジョンの株を取得したのがマイクロソフトの買収発表前だったことから、インサイダー取引なのではと感じる人が多かったからです。 バフェットがこれに対して 「棚ぼたではない」Microsoft の買収計画は知らなかったとしたと疑惑を否定しました。 実際アクティビジョン株の取得額がポートフォリオ全体に占める割合は1%未満しかないことを考えるとインサイダー取引をするメリットがないことがわかります。 この取引はトッド・コムズ氏の判断によるものだそうです。

     


    ヌーバンクの新規取得

    バークシャーはアクティビジョン以外に、第4四半期にもう1つ新たな株式を保有した。 南米地区でデジタル銀行を展開するヌー・バンクを傘下に持つヌー・ホールディングス(NU)だ。10億ドル相当のヌー株を保有している。 ヌーバンクは去年12月9日に上場したばかりの企業だが、上場2日目となる10日終値は11.85ドルと公開価格を32%上回り、時価総額は6兆円を超えた。創業からわずか8年で世界一の顧客数を抱える金融ヒ?シ?ネス界のユニコーン企業です。

    シェブロン株の買い増し

    またバークシャーは第4四半期にシェブロンの株式を950万株買い増しして持ち株を33%増やしました。取得額はアクティビジョンとほぼ同じ額になります。 シェブロンはバークシャー保有銘柄の上位9位にある主力銘柄ですので、バフェットの判断で買い増した可能性が高いです。 他に今回はロア・アンド・デコア・ホールディングス、RHを買い増した。 バークシャーが最初にしてシェブロンに投資したのは2020年第4四半期になりますからちょうど二番底をつけて底打ちしたタイミングで買い出動したことがわかります

    当時は原油先物価格が一時1バレル6ドル50セントと直近の高値65ドル65セントから90%も暴落した直後でしたから多くの投資家が化石燃料の時代は終わるだろうと悲観的になっていました。 そのためバークシャーによるシェブロンの投資を懐疑的に見る投資家が多かったのですが、バフェットは11月にバイデン氏が大統領選挙に勝利したことで原油高が加速すると考えた可能性があります。 なぜかと言うとバイデン大統領はかねてから化石燃料に対して悲観的でシェール開発への投資を縮小させると明言してきましたから、 バイデン大統領が誕生するということはシェール開発への投資が縮小してこれによってエネルギーの供給不足から原油高が加速すると予想できるからです。 小さい11月以降エネルギー株は一貫して上昇トレンドを維持していますし供給不足が暫く続く公算が大きいことからシェブロンの強気相場も今後しばらく続く可能性があります。

    シェブロンのチャート
    絶好調のシェブロンチャート

    医療関連株の売却

    さてバークシャーはシェブロンを買い増した一方でジェネリック医薬品で世界最大のブリストル・マイヤーズスクイブの株式を売却したのか 製薬会社のブリストルマイヤーズスクイブ70%を売却し、持分がほとんどなくなりました。 テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズとシリウスXMホールディングスの株式はすべて売却したようです。 バークシャーは1年半前の2020年第3四半期にブリストルそしてファイザーの大手ヘルスケア株にまとめて分散投資をしたことでヘルスケアセクターに対して強気の見方をしていました。 しかしその後すぐにファイザーを全株売却して前四半期にはブリストルの持分の売却も進めていましたからヘルスケアセクターへの投資から撤退する可能性が高いです。 その他では前四半期に新規で登場したばかりの新薬投資会社ロイヤリティファーマの持分を34%減らして、決済ネットワークのVISAやMasterCardの持分の売却を進めていることがわかりました


    バークシャーは集中投資?

    現在バークシャーはアップルが48%とわずか1銘柄で全体のおよそ半分を占めていて非常にリスクの高いポートフォリオを取っています。 それ以外だと、米銀大手のバンクオブアメリカとクレジットカードのアメリカンエキスプレス、ソフトドリンクを手のコカコーラ、食品大手のクラフトハインツの上位5銘柄だけで全体の80%を占めていることからバフェットがいくつかの優良株に集中投資をしていることがわかります

    バフェットがこうした集中投資をしていることから個人投資家の中にも個別株に集中投資をしたいと考えている人もいると思いますが、 集中投資をする際に注意しなければならないことは、その企業の競争優位性が高く業績見通しが比較的容易に予想できることそして十分な安全域を持っている必要があります バークシャーの保有銘柄トップ5

  • 1位アップル47.6%
  • 2位バンクオブアメリカ13.58%
  • 3位アメリカンエキスプレス7.49%
  • 4位コカ・コーラ7.16%
  • 5位クラフトハインツ3.53%


  • リスクの高いグロース株よりもバリュー株やコモディ株がおススメ

    ナスダックチャート
    ナスダックチャート
    例えば個人投資家の中には大きな値上がり益を期待してグロース株にばかり登場している人がいますが、登場したばかりのグロース株では業績見通しを予想することが困難ですし 十分な安全域がないつまりは割安ではないことから集中投資には不向きな投資対象になります。 株価というのは業績よりも長期金利の影響を大きく受けてしまいますから、安いまま保有している銘柄はどれも長期にわたって低迷してしまう可能性があります。

     

    アメリカのインフレはより深刻なようで、家庭消費は30%も上がっているようです。今後はインフレの高止まりによって長期金利が一段と上昇する可能性があるわけですから、今割安なグロース株はこれから何年も割安なままである可能性があります。 そのため個人の投資家は個別株に投資をする場合、その企業の競争優位性が高く十分な安全域があるかどうかに注意して下さい。 わざわざ時代の逆風を受けているグロース株に投資をするよりも時代の追い風を受けているバリュー株やコモディティ関連株に投資をしたほうがいいと思います。 金先物価格のウクライナロシア情勢を受けて最高値を更新しました。

    現在米国株を始めるには楽天証券、SBI証券、マネックス証券がありますが、私はマネックス証券での口座開設をおススメしています。その理由は手数料が安く、米国株の種類も他と比べてかなりマニアックな銘柄まで扱っているからです。